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山形に行って聞いてきました! どうやって「もくロック」はうまれたの?

Pinkoi はアジア最大級のデザイナーズマーケットです。日々の暮らしにも、特別な日の贈りものにも。優れたデザイナーによる、創造性ゆたかな商品をお楽しみいただけます!

自然が豊かな山形県で、地元の無垢材を使用して作られている「もくロック」。木ならではのやさしい風合いで、おもちゃとしてもインテリアとしても、子供から大人まで楽しめるアイテムです。

もくロックはどんな経緯で作られるようになったのでしょうか?今日はその誕生秘話をご紹介します。

もくロックの製造・販売元は、山形県米沢市に拠点を構える「株式会社ニューテックシンセイ」。OA機器の製造や部品加工などの事業を展開する、30年以上続く精密部品加工会社です。

OA機器の製造や部品加工の会社がどうしてのブロックを…?! そんな疑問と好奇心の赴くままに、米沢を訪ねてきました。

お話をしてくださったのは、株式会社ニューテックシンセイの桒原(くわばら)さん。もくロック開発者の1人です。もくロック誕生までの経緯と、ものづくりへの情熱を熱く語ってくださいました!

 

自分たちにしか作れないものを。

ーどんな経緯でもくロックを作ることになったのでしょう?


私は元々PCなどの精密機器のエンジニアだったんです。以前から精密機器製造で成長していくことの難しさを感じていました。そこで同僚の山岸と一緒に「社内で新しい事業に挑戦してみよう!」ということになりました。それで2011年に立ち上げたのがもくロックです。


「ここにはこだわる」と決めていたことが2つありました。1つが「ものづくり」をすること。もう1つは地元の資源を使うこと。地方でやる意味がある事業でなければ、米沢で産業を続けていくのは難しい。そんな危機感があったんです。はじめは農業や食品加工も考えましたが、どれも設備投資が必要で現実味がない…。なんとかして子供に良い影響を与えるものを自然素材で作れないか…と考えていた矢先に「ブロックはどうだろう?」と、ふと思い立ったんです。森林資源なら十分にあるし、精密な部品加工をする技術や設備、知恵と、それを安定的に量産する力はどれも自分たちが持っているものでした。

意外なところで必要なピースがすべて揃った木のブロック作り。しかし、その先にはまだ待ち構えている壁がありました。

 

思わぬ苦戦を強いられた木材の調達。

ー 製造にあたって、どんなことに一番苦労されたのでしょう?


周囲は自然にあふれているし、すぐ近くの山だってが生い茂っているのに、一番苦労したのはまさかの材料調達でした。県の関係部署に問い合わせて仕入れのための手配をしてみたら、その見積もりがなんと東京の新木場の業者から来たんです。木材の流通ルートは思っていたよりもずっと複雑で閉鎖的だったんですよね。

それでは意味がない!と、桒原さん達は地元の木材調達に奔走します。そうしてやっとたどり着いたのが、とある大手製紙会社の子会社で、木製チップを生成する地元企業でした。


の調達にはなんとか成功したけれど、切ったものをそのまま使えるわけではありません。木材として使うには半年から1年間の乾燥が必要です。加工されて木材になったものを自社工場でさらに細かく切断して、また数ヶ月間乾燥させます。その工程によってはじめて強度が保たれ、安定した高品質の商品を作ることができるんです。

プロダクトの精度を高めることは、精密機器の組み立てや部品加工を生業としていた彼らにとっては自分たちの戦場。これまで全く扱ったことのない「木」という素材に対しても同じように、2人はゼロからその特性を学び、より精度の高いプロダクトへと落としこんでいきます。社内の技術や設備を応用して、自社工場内には新たにもくロック専用工場が作られ、ようやく生産体制ができあがりました。

 

1年後、国外からの問い合わせが殺到!

2011年に無事に製品化したもくロック。製品を流通させる手段を持っていなかった2人は、合同展示会などに出て少しずつ玩具店や雑貨店と取引を始めていきます。そんな中、2012年冬に大きな転機が訪れます。


雑誌にもくロックが掲載されたんです。それを見た海外のWEBメディアがもくロックを取り上げてくれました。その記事がさらに有名なデザイン専門メディアでシェアされて、あっという間に情報が広まり、世界中から問い合わせが殺到しました。取引の依頼や注文が殺到したのはありがたいことですが、当時のチームは海外への流通に対応できるような体制ではなく、連絡が来ても断らざるを得ない状況でした。

全く想定していなかった海外からの反応に驚きながらも、生産や物流の体制を急ピッチで整え、現在ではフランスの展示会にも出展。ヨーロッパを中心に約30カ国もの国々と直接取引をするまでに成長しています。

 

日本の地域産業からアジアに、世界に。

国内外への流通や地域の子供達のためのキッズルームのプロデュース、他ジャンルのブランドとのコラボレーション、Pinkoiを通じたアジア圏への流通拡大など。活動の領域を広げながら成長を続けているもくロックの事業。

ー 今後のもくロックの向かう先を教えて下さい。


これだけ自然豊かな山々に囲まれた日本ですが、現在国内に流通している木製玩具のうち、国産木材を使用したものは全体の1〜2%に過ぎません。今より更にもくロックの流通を増やすことでその比率の改善に少しでも寄与したいと考えています。

「自分たちが好きな場所でものづくりを続けたい」という純粋な想いとアイデアと、身近にある物事と組み合わせることで、新しい産業資源を生み出した桒原さんと山岸さん。

日本国内には活用できずに眠ってしまっている資源が他にもたくさんありそうですが、最近は地域の産業を見直す動きも強まってきています。地元に根づいた新しい産業を生み出していくことに一番必要なのは、桒原さんたちのように純粋な想いをカタチにする熱量と柔軟性かもしれません。

 

Pinkoiショップ:MOKULOCK(もくロック)

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記事のカテゴリー:トピックス

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