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Anemoi 染織家 谷口亜希子さんインタビュー

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神奈川県港北区。日差しの差し込むのどかな電車を降りて、小高い丘を少しのぼったところに谷口さんのご自宅はありました。今回お話を伺ったのは草木染めの染織家、Anemoi 谷口亜希子さん。草木染めの美しいストールは、閑静な住宅街の中のご自宅兼アトリエで作られています。

化学染料が発達している現在も、日本古来からの伝統的な染色技術として個人の手で守られ続けている「草木染め」。谷口さんのお宅でその魅力に触れてきました。

 

 

 

谷口さんはどんな経緯で今のお仕事にたどり着いたんですか?

小学生のころ、正倉院の御物(ぎょぶつ)が公開されているのを見に行って、装束(しょうぞく)に出会ったときに衝撃を受けました。千年以上昔のものなのに、生地に色がしっかり残っているんです。

ただ着るためなら、そんなに手間をかけて染めたり織ったりしなくてもいい。でも誰かが誰かを大切に思う気持ちがあるからこそ膨大な時間と手間をかけて作るんですよね。のものから、当時の人の思いを受け取ったような気がしました。自分も誰かのために作りたい!と思いました。  

 

Anemoiの「草木染め」にはどんな特徴があるのでしょう?

黒豆茜(あかね)五倍子(ごばいし)よもぎクルミ、たまねぎ、など、100%天然の染料を使って染めています。生地に色を定着させるための媒染剤も、みょうばん、鉄、灰などの昔ながらのものを使っています。

不思議なのは、草木染めで染めると色がいろんな表情を持つんです。晴れの日、曇りの日、室内で見たとき。1枚のストールでもいろんな色に見えます。肌の色も人それぞれだから、身に付ける人によっても変わります。巻いてみると「その人の色」になる。

草木染めは何度も煮染めて、洗ってを繰り返すので、生地自体も堅牢なものを使っています。そして、100%天然の染料を使っているので、いくらでも染め重ねができます。Anemoiでは購入していただいてからどんなに時間が経ったものでも、染め重ねを受けつけています。

 

どんなことに気をつけて作られていますか?

染めの作業は、媒染している間も生地を染め重ねている間も、生地をずっと動かしておく必要があります。そうしないと色ムラになってしまうんです。生地についた小さなですら一瞬で染めムラになってしまいます。体力も必要だし、気が抜けない作業です。

”草木染めは色ムラも魅力”という考え方もあるけれど、フォーマルな装いにも合うものにしたいから、Anemoiでは品質管理を徹底しています。せっかく手をかけて草木染めをするのだから、「これが桜の色です」「これがよもぎの色です」とお客さんには自然の色をそのまま渡したいんです。

それから、大きい生地で作ることにもこだわっています。生地が大きいと染めムラのリスクも増すけれど、やっぱり使う人を守るような、包み込むような大きい生地で作りたい。「おくるみとして使っています」とか、「テーブルにかけて使っています」とか、お客様がいろんな使い方をしてくださるのも嬉しいです。  

 

丁寧に「草木染め」と向き合われているんですね。 

これまで多くの方が草木染めの本を書かれていて私も参考にしているのですが、素材の情報や1つ1つの作業の注意点まで、どれも先人が事細かにデータを残されています。草木染めを愛するからこそ、その知識技術を惜しみなく伝えたいという気持ちがとてもありがたいですよね。

自然がとても美しい物を分けてくれるし、そんな自然と向き合ってきた人たちの歴史がある。だから私もできるだけ妥協せずその色を生地に移したい。そして私もいつか将来の人たちのために自分の技術を渡せたら、と思っています。

茜染め 薄手リネンのストール 

 

Anemoi 谷口亜希子さん プロフィール

短大で国文学を学ぶ。染織・装束への興味から、卒業後は専門学校で工芸染織を習得。無形文化財指定工房で織り・染めを経験後、独立。育児休暇を経て復帰。2014年1月花色草木染め Anemoi 開始。

Pinkoiショップ : Anemoi

記事のカテゴリー:編集部のおすすめ

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