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商品写真撮影の基礎講座 | 第2回「カメラのAモードを使う理由」

Pinkoi はアジア最大級のデザイナーズマーケットです。日々の暮らしにも、特別な日の贈りものにも。優れたデザイナーによる、創造性ゆたかな商品をお楽しみいただけます!

全3回にわたり商品写真の撮り方の基本を解説していく本シリーズ。前回ご紹介した4つのルールはもうお試しいただいたでしょうか。第2回目の今回は、「カメラのAモードを使う理由やそれぞれのモードについて」についてです。

 

1. カメラで調整できる3つの機能を押さえよう 

「十分に明るい」「手ブレしていない」「ピントが合っている」というきれいな写真の三大原則を満たすため、カメラには様々な調整機能が備わっています。それぞれ、ISO感度シャッタースピード絞りと呼ばれていますが、実際にはどんなことを調整しているのか具体的に見てみましょう。

 

「絞り」(F値) とは?

ピントが合う範囲を調節するのが「絞り」です。人の目でいうと"瞳孔"がこの役割を果たしています。カメラでは「F値」と表示されています。

F値を
・大きくする(絞りをしぼる)と→ ピントが合う範囲が広くなる(結果、写真が暗くなる)
・小さくする(絞りを緩める)と → ピントが合う範囲が狭くなる(結果、写真が明るくなる)

■  F値を大きくして(絞りをしぼった状態で)撮影

ピントの合っている範囲が広くなりました。商品全体の雰囲気を伝える時は、F値を大きくして全体にピントが合った状態にしましょう。

 

■  F値を小さくして(絞りを緩めた状態で)撮影

ピントの合っている範囲が狭くなりました。部分的な素材感やパーツごとの質感を伝えたいときは、アップにして絞りを緩めるのも効果的です。

 

「シャッタースピード」とは?

1枚の写真を撮るためにシャッターが開いている時間のことを「シャッタースピード」と言います。(カメラでは1/60や1/500などと表示されます。分母の数字が大きいほど、シャッタースピードが速い、と言えます。)

シャッタースピードを
・遅くすると → ブレやすくなる(結果、写真が明るくなる)
・シャッタースピードを速くすると → ブレにくくなる(結果、写真が暗くなる)

■  適正なシャッタースピードで撮影

ブレがなく被写体である商品がはっきりとしています。

 

■  シャッタースピードを極端に遅くして撮影(1/25)

手ブレや被写体のブレが写真に映り込んでしまっています。

※ 関根さんのおすすめのシャッタースピードは 1/125だそう。三脚がある場合は、カメラが安定するのでシャッタースピードを遅くしても問題ありません。

 

「ISO感度」とは?

カメラが光を感じる度合いのこと。(カメラでは ISO400やISO800と表示されます。 )

ISO感度を
・上げると → 写真が明るくなるので、暗い所でも撮影可(結果、画質が下がる)
・下げると → 写真が暗くなる(結果、画質を保てる)

絞り(F値)、ISO感度、シャッタースピードは、それぞれに独立したものではなく、この3つを調整することで写真の明るさや画質に影響が出てきます。そのため、撮影する環境や対象に合わせて、ちょうどいいポイントを探す必要があります。

 

2. 決めたい条件と任せたい条件を決める「モード」の設定

さて、3つの条件については大体分かったけれど、撮影の度にこの3つを全て操るのはなかなか大変そうです。実はそのために「モード」が存在しています。

撮影する環境や対象に合わせて、「この条件は自分の手で調節したい」「この条件はカメラに任せよう」というように、ある条件はカメラに任せた状態で、撮影する人が好きな条件を「調整」することができるのです。何を任せて何を調整するか。その選択が「モード」です。商品写真の撮影で押さえておきたいモードをご紹介します。

表情や動きがあるものを重視する時は【P (プログラム) 】モード

Pモードは、「ISO感度」だけを自分で決めるモード。「絞り」と「シャッタースピード」はカメラにお任せです。

表情や動きのあるものを重視する時(撮影しながらあれこれ調整ができないような時)に活躍します。例えば「自分の作ったバッグをモデルさんに持ってもらって街を歩いてもらう」など、ピントをきっちり合わせたいというよりは、動きのある「空気感」を撮影したいときには効果的かもしれません。

 

物撮りといえばこれ! ピントを重視したい時の【A (絞り優先)】モード

A(絞り優先) モードは、ピント(F値)を調整するための「絞り」と「ISO感度」を自分で決められるモード。「シャッタースピード」はカメラにお任せです。

物撮り(商品撮影)をする時にはピントの合わせ方が重要になるため、このAモードの使用がおすすめです!何を伝えたいかによって、どこにピントを合わせるかが決まってきます。例えば、商品全体の雰囲気を伝えたいときには、F値を上げて広範囲にピントを合わせる。リングトップの石の輝きを伝えたいときには、F値を下げ、石だけにピントを合わせてその他をボケさせてみる。というように、伝えたい内容に合わせて「絞り」を使いこなしましょう。

 

3つの条件を全て自分で決めたい時の【M (マニュアル) 】モード

M (マニュアル)モードは、「絞り」と「ISO感度」、「シャッタースピード」の全ての条件を自分で決められるモード。

明るさが足りない環境で撮影する場合はマニュアルモードもおすすめですが、その他の条件の調整に不安があるのであれば、「明るさが十分な環境でAモードで撮影。写真が暗いと感じたら露出補正!」と習慣にしてしまった方がいいかもしれません。

 

3. 今回のおさらい

少し難しい内容が続いてしまいましたが、これをぎゅっと要約すると

✔️ カメラのそれぞれの調整機能(絞り・ISO感度・シャッタースピード)
✔️ モードは「自分で調整したいこと・カメラに任せること」を選択するためにある
✔️ 物撮りは「Aモード」がおすすめ。伝えたいことに応じて、絞りを使いこなそう

という内容でした。
今回は、第1回目の内容の「背景」をご紹介するためのものなので、こちらを踏まえてまた前回の記事を読み直していただけたら幸いです。次回の商品写真撮影の基礎講座は「商品への光の当て方」についてです。どうぞお楽しみに!

 

【講師プロフィール】

pa-luce(パルーチェ)代表 関根 統(せきね・おさむ)さん

秋山写真工房でのアシスタントを経て独立。百貨店の商品撮影を数多く手がける。現在、都内にてマンツーマンレッスンを開講。色の出し方、質感の出し方、売れる写真を撮るためのカメラの知識を基礎から実践を交えて学ぶことができます(詳細はこちらから)。

記事のカテゴリー:デザイナーズガイド

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