船の創作誌#2-嗅覚号-異臭

**これは香りのある本です。一度ページをめくれば、ずっとその香りに包まれていたくなるでしょう。** パリ近代美術館で鶏の足を煮込んだり、来場者に麺線を振る舞ったり、歯ブラシで魚の頭を磨いたり、ニューヨークのチャイナタウンで不法移民と生活を共にしたり、バーニングマンの朝に大麻の煙の匂いを嗅いだり、迪化街にある禧元堂の透き通るようなツバメの巣を初めて口にしたり、北投温泉の硫黄の香りを吸い込んだり…これらの香りのすべてが、この一冊に詰まっています。 **出版日:2012年10月** **中英バイリンガル、オールカラー** **96ページ、ソフトカバー、170x230 mm** **付録:嗅覚号厳選写真ミニポスターx2** 「船の創作誌」は、インディーズ出版のアートカルチャー誌です。紙上展覧会の形式で、人間の五感をインスピレーションの源とし、世界各地の様々な分野の作品と創作秘話を集めています。 毎号一つの感覚に焦点を当て、絵画、写真、インスタレーション、文章、音楽、建築、映画、さらには食、旅行、そして日常生活の人や物事を組み合わせます。 「船の創作誌」の創設者は、ニューヨークで出会った台湾人アーティストたちです。異国で共に生活し、創作を続け、「船」という集合的な概念のもと、様々な分野のクリエイターを「乗船」させてアイデアを共有してもらっています。これは、分野を超えた紙上展覧会であり、インスピレーションの交換の集合体です。共同作業と交換のプロセスを通じて、創作の中で見失っていた部分を明確にし、さらに驚くべきインスピレーションのエネルギーを刺激します。 **「船の創作誌#2」嗅覚号「異臭」** **目次:** 1. 序文—異臭について /李依樺 2. 対談—あなたが嗅ぐのはどんな匂い? /辛惠娟、黃蘭雅 3. 複合素材—想像と現実の葛藤:辛惠娟作品におけるキャラメルの香り /吳水柔 4. 写真—発酵するアメリカン・ドリーム:張乾琦作品「ニューヨーク・チャイナタウン」について /馬唯中 5. 映画—魚の頭がトイレの洗面台に浸かっている、何か問題でも? /梁碧茹 6. 短編映画—騒動 /蔡欣懿 7. 映像—色のある匂い /アイモ、フィリップ・ミリニ 8. 旅行—バーニングマン—毎年一週間だけ存在する都市コミュニティ /邱于真 9. 建築—手作業で木造小屋を建てる /エリック・バーク、洪湘茹 10. 文章—洪荒の味 /黃小米、黃立佩 11. 音楽—少し粗野だけれど心に響くハンドメイドロックの香り /魚雷 12. 公募—生活の中の異臭を集める /花、王彥博、李正書 13. 食—ピノキオの長い鼻 /胡農欣 **序文:** 匂いは、形のない姿で世界に存在します。集団的な客観性はありませんが、人々の身体に自由に出入りし、人間が大気を深く吸い込むと同時に、どこにでもある気ままな態度で人々と関係を築きます。日常生活では、不快な刺激臭がしばしば存在します。それは社会に広く存在する異常現象のように、目に見えないけれど力強い排他性を持っています。異臭が交錯する瞬間は耐えがたいかもしれませんが、匂い分子の拡散とともに、無形のうちに環境全体とそこにいる人々を感染させ、時間が経つと不快に感じなくなるかもしれません。 「船の創作誌」は創刊号の触覚号—「柔らかさ—誰もがここで強靭な硬い皮を剥ぎ取る」に続き、私たちの内なる柔らかさがむき出しになった時に、身の回りの匂いを思い切り吸い込むことを奨励します。これらの匂いは、私たちの生活の中に確かに存在し、常軌を逸した独特の特殊性を帯びています。社会の中では、ある種の周縁的な異常現象のように、確かに存在するにもかかわらず、見過ごされがちであったり、当たり前とされがちです。これが、嗅覚号で私たちが語りたい「異臭」なのです。 **発行者:船の工作室** **編集長:李依樺+洪湘茹** **執筆:馬唯中、蔡欣懿、吳水柔、梁碧茹、黃小米** **翻訳:詹淳惠、趙亞齡、許博理**