【書籍紹介】
『夜のように漆黒』は、麦樹堅(マク・シューキン)が7年の沈黙を経て世に送り出す短編小説集です。この作品集で、作者は初めて中編小説に挑戦し、現実と虚構を織り交ぜながら、人間性、死、運命といった普遍的なテーマを深く探求しています。中編小説「長い夜の始まり」では、都市の夜と闇を通して、これまでにない香港の物語が描かれます。物語は、密航して香港にたどり着いた陳松修(チャン・ソンサウ)と施山遠(シー・サンユン)を中心に展開します。彼らは社会から距離を置き、検視官や夜勤のタクシー運転手として、死と隣り合わせの日々を送っています。作者は、香港の歴史、都市伝説、人間観察といった要素を巧みに組み合わせ、現実と虚構が交錯する中で、現世と対をなす冥界のような世界を構築し、独特で神秘的な視点を生み出しました。
ゴン・マンファイ、国境を越えて推薦
マレーシアの作家ゴン・マンファイは、『夜のように漆黒』に推薦文を寄せ、「非常にリアルで魅力的な市井の人々の姿が描かれている」と評価しています。彼は、外部の視点から小説の中の香港を読み解き、こう述べています。「私たちは夜行者の足跡を辿り、1980年代の香港の風景、あるいは正確には、今日ほど喧騒に満ちていなかった古き良き時代の街の闇へと誘われます。光を背にした行商人たち、ナイトクラブのホステスたち。欲望が渦巻く中に、かすかな人情や愛情が確かに存在していました。そしてようやく理解するのです。光と影、人間と幽霊、人間と幽霊の街が区別なく重なり合っているが、それこそが完全な都市なのだと。」
一人では向き合えない人生の闇夜、夢と現(うつつ)の間で、暗闇の中、何があなたを見つめているのでしょうか?
【作者紹介】
麦樹堅(マク・シューキン)
香港浸会大学中国語言文学科で文学士(優等)と哲学修士号を取得。現在、香港浸会大学言語センターの講師を務めています。個人散文集に『対話無多』、『目白』、『絢光細瀧』、詩集に『石沈旧海』、個人小説集に『未了』、共著小説に『年代小説・記住香港』などがあります。作品の一部は、『香港短篇小説選』(2006-07)、『香港現代作家作品合集選』(散文巻)、『香港詩選2013』、『香港詩選2014』、『土瓜湾叙事--香港文学散文選』、『華文文学百年選』(香港巻)などに収録されています。新紀元グローバル華文青年文学賞、大学文学賞、香港芸術発展賞芸術新進賞(文学創作)、中文文学創作賞、中文文学双年賞などを受賞しています。
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