志野釉は、
炎と土が語り合い、最も自然な痕跡を残します。
薪窯の燃え盛る炎が窯の中で渦巻き、
火の模様と縮れた釉薬が交錯し、
白みがかった黄色の志野釉の中から、
温かく素朴な雰囲気が滲み出します。
志野釉は、その厚みのある柔らかな白さが特徴です。
釉薬は高温でわずかに収縮し、
繊細な縮れ釉のテクスチャーを形成します。
それはまるで雪面に軽くひびが入ったようでもあり、時の流れの跡のようでもあります。
炎が触れた場所には、橙色の火痕が残り、
一つ一つの斑点は、二つとない薪窯の印です。
どっしりとした碗の形と、わずかに不規則な口縁が、
わびさびの趣と静けさを添えています。
お茶を味わう時も、ただ卓上に置かれている時も、
素朴で優雅な静寂の美しさを放ちます。
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