サンマ 第47号 編集者のためのカフェ、本屋、レコード店

ミシュランは、その最高峰である美食と旅行の指標として、レストランをこう評価します。一つ星は「訪れる価値のある素晴らしい料理」、二つ星は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」、そして三つ星は「そのために旅行する価値のある卓越した料理」と。私は常々、人々がたった一食のために、どんなに予約が困難でも、どれほど山奥にあっても、その決意を阻むことなく、わざわざレストランまで足を運ぶことができる、という事実に思いを馳せていました。 では、書店はどうでしょうか？私たちは知識への渇望のために、わざわざ遠くまで訪れることがあるでしょうか？ 最近、東京の下町、亀有にあるアート書店「SKWAT」が台湾の編集界で旋風を巻き起こしています。その理由は、高架下という空間を巧みに利用して生み出された独特の雰囲気だけでなく、厳選された書籍、中古レコード、そしてコーヒーが、現代のトレンドを的確に捉えているからです。倉庫のような空間に、実験的な複合施設として創造されています。東京の中心部から電車で1時間以上かかる道のり。漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のファンではない（同作が亀有を舞台としている）ある編集者は、「そこにはその店しかない、他に観光スポットはないよ」と話しました。そして、まだ訪れていない人々は常に品定めしています。「それで、行ったの？行く価値ある？」と。 この日の朝、私はただ一つの予定を組みました。それは、この書店を訪れることでした。電車が人影もまばらな駅にゆっくりと到着し、スマホの地図を頼りに、ベランダに洗濯物が干された低い家々や、幼稚園に隣接する小さな公園を通り過ぎました。あまり多くの地元の人々に出会うことなく、ついに目立たない高架下で、ネオンが輝く書店の看板を見つけました。開店と同時に入店し、心ゆくまで満足して店を後にするまで、たっぷり3時間滞在しました。店内のアートブックや、何人もの手を渡ってきたであろう古いレコードよりも、私がここに立ち止まった理由は、訪れる際の期待感、そして未知のものを掘り起こす時の驚きでした。 編集者という職業において、好奇心と鋭敏さは基本的な条件に過ぎません。さらに重要なのは、探求の過程で、人々がまだ知らない内容をいかに記録していくか、ということです。取材という仕事と読書は、まさに他者の世界に入り込み、新しい視点を見つけようとする営みであり、私は常に、編集者という仕事は最も幸福なものだと考えています。 もともと、他の編集者たちも偶然にも同じように考えているのかを知りたい、と思ったのがきっかけでした。幸いなことに、編集者たちは常に温かく、惜しみなく共有してくれるため、『秋刀魚』は今回、特別な訪問の旅を始めることができました。伝説的なポップカルチャー誌『relax』、テクノロジー・ヒューマンカルチャー誌『WIRED Japan』、旅行文化誌『TRANSIT』、インディペンデントカルチャー誌『SPECTATOR』、アート・クラフト誌『Subsequence』、ストリートカルチャーオンラインマガジン「McGuffin」など、人々の視野を変えてきた文化メディアが一堂に会し、各誌の編集長が自ら語ってくれました。彼らは、未だ見ぬ景色を目の当たりにするために、あえて特定の書店、カフェ、あるいはレコード店へ足を運ぶことがあるのか、と。同時に、地方誌、絵本、漫画、翻訳書など、異なる立場の編集者たちの視点も収録し、日本の老舗出版社MAGAZINE HOUSEの若手編集者たちと仕事終わりに夕食を共にしました。ゆっくりとした紙媒体と、速い情報の間で、ちょうど良い歩幅を見つけ出すために。 ですから、もし「たった一軒の書店のために1時間を費やす価値があるのか？」と尋ねられたら、私はこう答えるでしょう。人々は常に、まだ見ぬ何かを読みたいと願っているものです。いつか、インスピレーションを求め、そしてより広い世界をこの目で確かめるために、わざわざ足を運んだ自分自身に、ミシュランの三つ星級の栄誉を与えられる日が来ることを心から願っています。