1920-30年代 ドイツ製 コウノトリ型裁縫ハサミ
独特の形状を持つ裁縫用ハサミは、コウノトリ(stork)を模しており、ハサミの内側には「FOREIGN」の文字が刻まれています。これは、この品の年代を特定する重要な手がかりとなります。1893年以降、イギリスでは「Merchandise Marks Act」に基づき、すべての輸入品に原産地表示が義務付けられました。特定の国名が明記されていない場合、「FOREIGN」と表示することで、自国製ではないことを示していました。特に第一次世界大戦後から第二次世界大戦初期にかけては、ドイツ製や日本製の商品が、否定的な印象を避けるためにこの形で輸入されることが最も多かったのです。
ヨーロッパの民間伝承において、コウノトリは新しい生命をもたらす象徴であり、特にドイツや北欧文化では、コウノトリが赤ちゃんを運んでくる神秘的な使者とされていました。初期の助産師がコウノトリ型のハサミでへその緒を切っていたという伝説も残っています。刺繍や裁縫は、生命を創造し、修復し、装飾する行為と見なされており、コウノトリが生命をもたらすイメージと見事に合致します。そのため、19世紀から20世紀初頭のヨーロッパでは、多くの女性の裁縫箱に、このような「優雅な」コウノトリ型の裁縫ハサミが収められていました。これは単なる道具としてだけでなく、地位と品格の象徴でもあったのです。
以上の点から、このアンティーク品は戦間期にイギリスへ輸入された裁縫道具であり、製造地はドイツ(当時、高品質な金属製道具の主要な供給源でした)である可能性が非常に高いです。鋼材は軽く酸化していますが、錆びや破損が見られず、ドイツ特有の高炭素鋼である可能性を示唆しています。この種の素材はゾーリンゲン製のハサミに広く使われていました。ハサミの翼には多層のレリーフと明確な幾何学模様が施されており、これもゾーリンゲン工芸の典型的なスタイルです。
この品には明確な時の痕跡が見られ、それが歴史的な趣を一層深めています。ブレードの裁断機能に影響はなく、実用性と装飾的価値を兼ね備えています。手芸や刺繍を愛する方々のコレクションに加えていただくのにふさわしい逸品です。また、状態の良い中古の楕円形収納ケースをお付けいたします。
商品説明
商品情報
- 素材
- 金属
- 製造地
- 欧州連合
- その他
- Pinkoi限定商品
- 在庫
- 残り1点
- 人気ランキング
- No.45,643 - 文房具 | No.94 - ハサミ・ペーパーナイフ
- 人気度
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- チェックされた回数 812回
- 6 人がお気に入り登録
- 販売種別
- ヴィンテージ品と骨董品
- おすすめポイント
- 戦間期にイギリスへ輸入されたドイツ製の裁縫道具。鋼材は軽く酸化していますが、錆びや破損は見られず、ドイツ特有の高炭素鋼である可能性を示唆しています。この種の素材はゾーリンゲン製のハサミに広く使われていました。ハサミの翼には多層のレリーフと明確な幾何学模様が施されており、これもゾーリンゲン工芸の典型的なスタイルです。
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