Artbook: drift-print research archive

Content: - drift-print research archive pages: 40 paper: araveal dimensions: A4 ( 210x297mm ) printing: laser printing - research document pages: 32 paper: araveal dimensions: A6 ( 105x148mm ) printing: laser printing - print prototype paper: random dimensions: A3 ( 420x297mm ) printing: risograph printing 台湾・宜蘭地域の風景を、常識とは異なる視点でレンダリングし、地域に対する新たな目線をデザインするプロジェクト。一見すると海のアートブックに見えますが、これらはすべて宜蘭の地質写真。宜蘭海岸に点在する堆積岩の岩肌を被写体とした、青と黒のリソグラフ2色刷による「海の風景に擬態する堆積岩」の作品群を収録した。また、リソグラフの版ズレによって、波のゆらぎや奥行きが生まれることから、この印刷手法を「drift-print」と定義した。 本誌は、台湾・宜蘭のアーティスト・イン・レジデンスSurfySpaceの支援を受けて制作されました。 タイトルでもある「drift-print」は、印刷上のエラーとされる「版ズレ」を意図的に操作し、被写体（自然物）に内在する「ゆらぎ」を視覚表現の中に再構築する、実験的なプリントの手法です。版ズレ・モアレが生み出す視覚的な奥行きや動きの生成と、一枚一枚異なる位置ズレから生まれる風景のバリエーションから、リソグラフ印刷の可能性を拡張する試みです。 特徴的なのは、印刷上のエラーとされる「版ズレ」を意図的に操作し、岩肌の起伏や模様を波や潮流のように見立てている点です。印刷のズレやノイズをネガティブなものとしてではなく、自然物に内在する「ゆらぎ」として捉え、視覚表現の中に再構築しています。これにより、単なる複製にとどまらず、印刷によって新たな風景を現像するという実験的なアプローチが展開されています。 本書では、プロジェクトのコンセプトや実験過程に加え、印刷されたビジュアル作品を多数収録。研究アーカイブとしてだけでなく、印刷メディアの表現に関心のあるクリエイターや研究者にとっても、刺激的な内容となっています。