微観台中文化生活誌 vol.03 過溪【甲安埔】

『微観台中文化生活誌』vol.03 〈過溪〉|甲安埔 大甲を訪れると、まず目に飛び込むのは大甲媽祖を取り巻く集落です。信仰だけでなく、台中発展の重要な拠点としての大甲の役割も感じられます。大安と外埔は、農業と生態系の発展がこの地域の自然の景観を形成しています。大肚山脈を越え、大甲渓を渡ると、大甲の故郷と信仰の繋がりが見えてきます。 ------------------------------------- 甲安埔地域には、世界的に有名な信仰行事「大甲媽祖遶境進香」があります。鎮瀾宮の周辺には、信仰によって生まれた文化的な生活圏が広がり、かつては堆積する前は台中の重要な港であった大安港が、大甲を中部地域の経済貿易の中心地としていました。 今回、大甲、大安、外埔を特集の主軸に選んだのは、地元の人々への取材がきっかけでした。『微観』は台中文化の記録者として、大甲媽祖が地域にもたらす活気や、毎年3月の媽祖祭りでの人々の賑わいを目の当たりにしてきました。しかし、それ以上に私たちが知りたかったのは、地元住民が自分たちの故郷に対して抱くアイデンティティでした。 甲安埔の人々はそれを成し遂げました。この生活圏では、外埔と大安が農畜業を発展させ、大甲は商業の中心地となっています。ここには鉄砧山があり、海浜公園もあります。これは地域の文化的な生活圏であり、甲安埔の人々の生活に必要なものすべてを満たし、同時に外部からの観光客も呼び込んでいます。大甲といえば、誰もが口ずさめる店やイベントは数えきれないほどあり、地元の人々は大甲の住民であることを誇りにしています。 このアイデンティティ豊かな町で、私たちは考えずにはいられません。この信仰に守られた土地で、人々は「家」に何を思い描いているのだろうか？大甲媽祖以外に、どのような信仰があるのだろうか？ もし大甲媽が甲安埔の人々の心を繋いでいるとするならば、私たちは大甲媽がどのようにして地域の信仰文化の中心から、中部最大の信仰行事の一つへと発展していったのか、そしてこの数年の大甲媽祖遶境進香の軌跡を記録することができるかもしれません。私たちは民俗信仰体験の推進に尽力する教育者を見つけ、今年初めて媽祖遶境に参加した人々にもインタビューしました。また、甲安埔地域で、大甲媽祖以外にも鄭成功や貞節媽などの信仰行事があることを読者の皆様にご紹介し、この地に最初に住んでいた原住民の物語も一緒に紐解いていきます。 甲安埔の豊かな人文は、台湾初、世界初の企業や著名人を数多く生み出してきました。彼らはこの地に根を下ろし、独自の文化を基盤に、台中を越え、台湾全土、そして世界へと羽ばたいています。彼らは懸命な努力によって、甲安埔に多くの機会と物語をもたらし、専門的な視点から誇るべき成果を上げ、私たちにはできるということを世に示しました。 読者の皆様一人ひとりに問いかけます。「あなたにとって『家』とはどんなイメージですか？」 皆様がご自身の家や故郷を振り返り、育った場所、生活の中の記憶を心ゆくまで感じてくださることを願っています。私たちはここで育ち、理想を抱いてここから出発します。外で頑張っている間も、初心を忘れずに、次の一歩を踏み出してください。もし疲れたら、家に帰って見てください。きっと、さらなる活力が得られるでしょう。 今号では、「過溪」と「家と信仰の繋がり」から甲安埔へと誘い、信仰に支えられた甲安埔の生活の記憶をお届けします。読後には、ぜひ皆様も一緒に「過溪・回家」へと足を踏み入れてください。 ------------------------------------- 本号の内容 | ∥人物コラム∥ 町を改革し、大甲の栄華を取り戻す 実家の暮らし 言い尽くせないほど美味しい カイトサーフィンと通行人と海鮮スナック店 ∥巻頭特集∥ 過溪 大甲媽祖遶境は何を巡るのか？|出発前に必読の参考情報 「瘋媽祖」に倣い、民俗信仰はもはや「他人のこと」ではない 新世代の投稿|人と神の交流 新世代の投稿|媽祖に向かって ∥職人技∥ ミニチュア家具 一帆布包 天然手作りの継承 イグサの香りが三世代にわたって続く ∥粒々好食∥ あなたと「香芋」が大甲で出会う ぶどうの木の下のワインディナー 「ガリシワイナリー」の転換期 商業的思考で管理する田園の若手農家「洪班長」 ∥食味選読∥ 半世紀香る、紫色のバラが咲き誇る場所 甲子の味覚 萬全馨 ∥建築の印∥ 古民家の旧き魂の再生——風月襟懐/風月之屋亀鶴塘 野人小築カフェ 故郷の文化芸術の夢を灯す ∥甲安埔散歩∥ 秘宝を秘めた山陵|鉄砧山風景区 転換。海辺。音楽祭 一「望」限りなし、悩みを忘れる「忘憂谷」 廃墟とならない廃墟「石頭公園」