ブルゴーニュ型のワイングラスのグレードを上げた型の第一弾ということで製作に取り組みました。
グレードを上げようとするとオリジナリティ寄りのデザインを考えがちになってしまうので、まずは伝統的なデザインを作ることにしました。
上部は菊繋ぎ(きくつなぎ)、下部は亀甲(きっこう)という伝統的な文様で構成されています。
亀甲を使ったデザインをする職人は日本にあまりいないので、伝統的なデザインでありながらもオリジナリティがあるように思います。
ワイングラスのボウル部分は丸いものだ、という固定概念を崩したいと思い、手触りを意識してゴツゴツになる亀甲を選択してみました。
通常のワイングラスではこの手触りはまず不可能で、切子だからこそできる触り心地を感じることができると思います。
視覚だけでなく、手触りによってこの製品のデザインの面白みを体感できるはずです。
また伝統を維持しつつグレードを上げるのがこのデザインの目的ですので、菊繋ぎのサイズを通常よりもかなり細かくして削っています。
当工房で通常行っている菊繋ぎ部分は201本のカットにより構成されていますが、サイズを小さくしたこのデザインでは355本のカットにより菊繋ぎが構成されています。
カット数がかなり多くなる上に、細かさも尋常ではなく、正確さも要求されます。
これにより、通常の菊繋ぎよりも遥かにグレードが上がったものになっております。
最初は言われないとわからないかもしれませんが、一度菊繋ぎの細かいサイズ感を感じてしまうとなかなか普通のサイズの菊繋ぎには戻れないかと思います。
ワイングラスということもあり、飲料の色がよく見えるために亀甲という全体が透けている文様を選んでおります。
口元は半円状に擦っており、口当たりが良くなるようにした結果の機能美となるものです。
10パターンほど口元を擦ってみましたが、この半円状が一番口当たりが良くなると断定したので、この形を採用しております。
最初にただのお水を飲んで頂きたいのですが、ただのお水が口当たりに明らかにおいしく感じるかと思います。
単純なデザインだけではなく、口当たり、手触りにも配慮したグレードを上げた良い仕上がりになったかと思います。
自分用、贈り物、お店のブランドイメージアップ等にご検討頂けると幸いです。
当工房の切子は江戸切子の伝統的な手法である「手磨き」というガラスの強度が保たれて高品質に仕上がる技術を用いて磨いています。
一方、世の中には「酸磨き」という酸にガラスを浸けてガラス全体をボロボロに溶かしながら磨くものもございます。
酸磨きのものは傷が付きやすく、色が落ちる可能性があるなどのデメリットがありますが、工数を抑えて値段を安く販売できて売れ行きがよくなるので、多くの工房や作家が酸磨きを行っております。
当工房の切子はカット面を1本ずつ研磨して磨いておりますので、ガラス本来の強度は失われておらず、洗剤やたわしでゴシゴシ洗って頂いても構いません。
熱湯、電子レンジ、食器洗い機は他のガラス製品と同じように使用できませんのでご注意ください。
取り扱い方については工房のホームページにて詳しく解説しております。
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