微観台中文化生活誌 vol.02 小さな町で過ごす穏やかな散策【清水】

『微観台中文化生活誌』 vol.02 〈小さな町で過ごす穏やかな散策〉| 清水 台中の海沿いを歩き、清水の発展を目の当たりにし、先人たちの足跡をたどりながら、清水に暮らす人々の文化的背景を見つめ、若者が営む魅力的な店々を発見しましょう。 ------------------------------------- 清水はどのような場所でしょうか？「清水の米糕は美味しい！」「高美湿地の夕日は美しい」と、最初は私たちもその程度の認識でした。 しかし、清水は単なる海沿いの町にとどまらず、想像を超える文化、景色、美食、歴史が息づいています。先史時代の遺跡の出土、日本統治時代に遺された神社の痕跡、ノスタルジックな眷村文化、失われつつある線香製造業、大肚山で農業に励む夫婦の物語、地元に根付く米糕の食文化、そして古跡として保存されている清水駅や清水小学校など、語り尽くせないほどの魅力的な物語がそこにはあります。 土地は清水の人々の感情と深く結びついています。私たちは当初、それが単なる農作業の歴史を物語る土地への感情だと素朴に考えていました。しかし、想像を超えて清水の人々の故郷への愛は深く、多くのUターン青年を故郷へと引き寄せ、新たな可能性を模索させています。また、地元の団体が積極的に清水の人々を地域活動に誘い、故郷の文化と歴史的背景を自ら知るよう働きかけています。 清水の人々は土地を基盤とし、寛容で控えめです。自らの領域で黙々と努力を重ね、大きな反響を期待することなく、ひたむきな信念と忍耐強さをもって、正しいと信じることを成し遂げています。 あなたはどれくらい故郷をじっくりと見ていないでしょうか？景色の移り変わりを見るたびに、「ここはこんな風になってしまったのか！昔の建物は取り壊されてしまった」と、一抹の寂しさや喪失感を覚えることはありませんか？近年、台湾では文化遺産保存への意識が高まり、多くの人々が古跡建築を保存することの重要性を認識し始めています。それらは時代全体の発展過程を物語るものだからです。しかし、清水の人々は早くからその意識を持っていました。もしかしたら多くの人は、清水に非常に多くの文化財や歴史的建造物が保存されていることを知らないかもしれません。清水を訪れれば、この場所に対するあなたのこれまでの想像は覆され、これまでとは異なる多くの価値を発見するかもしれません。 今号では、「土地への感情」と「清水の歴史的基盤」に焦点を当て、地元の著名人へのインタビューや、あまり知られていない特別なスポットを多数収録しました。清水の人々が持つ包容力と共存の精神を皆さんに届け、この田園風景が広がる清水の景色を共に感じていただければ幸いです。 ------------------------------------- 今号の内容 | ∥人物コラム∥ ‧「朝朝暮暮招待所」にある家の温もり ‧「揚眉土器」の小さな陶芸家、楊幸諮 ∥巻頭特集∥小さな町で過ごす穏やかな散歩 ‧足元の道をしっかりと歩む「清水散歩」 ‧「牛罵頭遺跡文化園区」から歴史の移り変わりを見る ‧「高美湿地」絶景の動と静 ‧「土野コミュニティ共学教室」土地を通して暮らしを体験する ∥職人技∥ ‧「黄連芳製香廠」潮風に吹かれ、日光を浴びて ∥美味しい一粒∥ ‧「甜心農場」土地への優しさ ‧一つの食材から生まれるコミュニティの繋がり：「武鹿ニラ」 ∥食の選りすぐり∥ ‧「清水米糕」文化それぞれの特色 ‧「顏新発餅舖」最もシンプルな美しさを継承する ∥建築の印∥ ‧鉄道の時代を懐かしむ「清水駅」 ‧台湾初の校内古跡「清水小学校」 ∥清水を巡る∥ ‧「清水眷村文化園区」の古きと新しき ‧歴史を物語る「大楊油庫」