猫の部屋 _ 木製スタンプ

子猫のマジと一緒に暮らし始めて二年目、私たちは三度引越しをしました。どこに住んでいても、どれだけマジと離れていても、家に帰るたびに一番楽しみにしていたのは、マジの部屋のドアを開け、様々な姿の彼女に会うことでした（たいていの場合、彼女はふくよかな姿で寝転がっていましたが）。 時々、私は思わず想像してしまうのです。いつかドアを開けると、彼女が小さなテーブルで本を読んでいたり、引き出しから文房具を取り出してマスキングテープを丁寧に切ったり、スタンプを押したりしている姿を。おそらく、「猫の部屋」はそんな風にして生まれたのかもしれません。そして「スタンプ」は「猫の部屋」の最初の物語。この小さな始まりから、ずっと物語が続いていくことを心から願っています。