沙塵百貨-蜜糖・花箋・德律風 Tシャツ

沙塵百貨-蜜糖・花箋・德律風 Tシャツ 1842年の香港開港後、1851年にはすでに外国人娼婦が『德臣西報』に小さな広告を出していました。「ランダイ夫人宅にて、上質な蜜糖（はちみつ）を少量販売しております。その他、ジン、ブランデー、チェリー酒もございます……場所：ビクトリアシティ、ランハクス街X号X階。」皆様もご存知の通り、英語の「honey」には別の意味もあります。この広告は実質的に「上質な蜜糖」――高級な西洋人娼婦が擺花街でご来店をお待ちしていることを暗示していました。西洋人が娼婦を呼ぶ際には、花を贈って気に入られるという話もあり、通りに集まる花屋が後に擺花街という中国語名の由来になったと言われています。事情を察する者は、新聞と花を携えて足早に店を訪れたことでしょう。 - 商業貿易が徐々に活況を呈するにつれて、1881年には香港で最初の電話会社が開設され、新聞に設置作業員募集の広告が掲載されるようになりました。「德律風」という言葉は一般の人々には馴染みが薄いものでした（「德律風」は上海語のアクセントから訳されたという説や、20世紀後半に香港で出版された「通勝」に収録された広東語で英語を学ぶ「華英通語」にも「德律風」という言葉が記載されているという説もあります）。より広く知られるようになったのは、日本から伝わった「電話」という訳語でした。そして1900年代に入ると、香港の性風俗産業は水坑口から石塘咀の大酒楼や舞踏場へと広がりを見せました。「西洋菜」（西洋人娼婦）がいれば当然「陀地正菜」もおり、地元にも多くの人々を魅了する絶世の高級娼婦がいました。古代の青楼の女性たちが歌や踊りに長けていた伝統を受け継ぎ、当時の塘西の高級娼婦たちは品行方正で、楽しみながらも淫らではありませんでした。「猜」（指切り遊び）、「飲」（酒豪）、「唱」（歌唱力）、「靚」（美しさ）の4つは、あくまで基本スキルに過ぎませんでした。「一蚊雞」（塘西の酒楼で客が1元を払って「花箋」を書き、娼婦を呼んで酒を注いだり、隣に座らせたり、歌を歌わせたりしたことに由来）という最初の料金から、遊び人たちは散財の時間を始めていました。当時、どれほどの「孝子」（親不孝者、ここでは放蕩息子を指す）が、愛する女性の笑顔を見るために家財を傾け、奇抜な方法を凝らしたことか。紙幣を燃やして緑豆のデザートを作ったり、紙幣を折って作った花飾りを贈ったりするだけでなく、彼女たちの部屋に、当時上流階級の官僚や貴族だけが持つことを許された最新の流行品である電話を設置することまでありました。ただひたすら、あの女性の心を動かすためでした。いわゆる「貧乏は想像力を制限する」という言葉がありますが、『胭脂扣』で如花と十二少の物語を見ていなければ、私たち貧しい庶民には、このようなギャツビー的な享楽的な生活を想像することは難しかったでしょう。 - その後、電話はますます普及しましたが、塘西は様々な理由で衰退の一途を辿りました。1930年代初頭、イギリス政府は売春を禁止する法律を制定し、それは植民地である香港にも波及しました。しかし、食欲や性欲は人間の本能であり、1935年の全面的な売春禁止後、「導遊女」というグレーゾーンの性風俗取引が流行し始め、導遊社は遊び人たちの「疏肝園地」（疏肝という言葉は元々漢方医学の用語で、広東語では気分が晴れるような良い経験をしたことを指す）となりました。旅館が客に紹介し、あとはダイヤルを回すだけ（広東語で電話をかけるという意味。昔の電話機には、1から9と0の番号が書かれた回転式の円盤があり、指をそれぞれの番号の穴に入れて時計回りに回すことで電話をかけることができた。広東語ではこの円盤を「輪」と俗称する）で、導遊女が呼ばれてやって来ました。世の中は何が起こるかわからないもので、性風俗産業は地下に潜りながらも、このような形で電話と関わりを持つことになったのです。その中で渦巻く世間の様々な情景が、香港の百年にもわたる風俗の変遷を織りなしていきました。 - この実際に起こった歴史（大いなる夢）を、私たちは自身の想像力と融合させ、デザインとしました。かつての香港の華やかで退廃的な時代において、電話は並々ならぬ役割を演じていました。そこで、私たちはかつてストリップショーが行われていた香港の茘園遊楽場の電話ボックスの一角を原型として、「蜜糖・花箋・德律風」を創作しました。