アンティーク白蝶貝製オペラグラス

ヨーロッパの歴史において、オペラグラスは王室や貴族だけが使用を許されたものでした。17世紀から19世紀にかけて、娯楽の種類が少なかった時代、ヨーロッパの貴族たちはオペラ劇場での鑑賞を楽しみ、オペラグラスがそこで大いに活躍したのです。アンティークのオペラグラスは、主に単眼鏡、双眼鏡、そしてハンドル付き双眼鏡の数種類に分けられます。ハンドル付きは貴婦人が、ハンドルなしは紳士が使用しました。ハンドル付きのオペラグラスは、ハンドルなしよりも高価な傾向があります。当店の一品は、真鍮製の本体に精巧な白い螺鈿が施されており、その古典的で優雅な佇まいは、螺鈿が放つ柔らかな光沢と、真鍮が時を経て刻んだ風合いが相まって、非常に趣深い逸品です。