家とは何でしょうか?それは慣れ親しんだ匂い、ささやかな小言、ありふれた風景なのでしょうか?
家はあまりにも平凡で目立たないけれど、そこを離れて初めてその意味を知るのかもしれません。では、「離れること」とは?移住や放浪、あるいは遠くへ旅立つように、自ら選べる「離れること」もあれば、時間や老い、病気や死のように、選べない「離れること」もあります。
冬は一年を締めくくり、豊かな収穫を準備する時。そして果実が緑から赤へと色を変え、熟して枝を離れ落ちる季節です。旅立ちを迎えた果実は、新しい旅路を歩み始めます。その途中の風景は千変万化。振り返ってみれば、いつの間にか自分自身が木のように大きく育っていたことに気づきます。振り返ってみれば、親木の枝葉が織りなす光景もまた、人生におけるかけがえのない一片の風景なのだと気づかされます。
絵本『落ちた果実』の物語の原型は、囝仔人(こどもびと)が2022年に制作した人形劇作品『二十四節気 果実の物語 -冬の章-』です。果物と人との関係に焦点を当て、果物が呼び起こす感情、行動、そして季節の祭りとのつながりを通して、果樹と枝を離れた果実を比喩として描いています。小さな種は、実を結んだ幹の中に宿りながらも芽吹かず、小さな心は成熟した体の中にありながらも、まだ成長しきっていないかもしれません。
私は木であり、また種でもある。守られながらも、枝葉を広げて守り育てる存在として。
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【作者プロフィール】囝仔人(こどもびと)
題材、場所、形式に縛られることなく、純粋な「遊び心」を大切にしています。
「囝仔人(こどもびと)」という名の通り、私たちは子どものような童心と好奇心を持ち続けたいと願っています。オブジェ、光と影、人形劇など様々な形式を試みながら、日常の細部を創作素材として存分に探求し、物の想像力と創造性を広げています。演劇創作だけでなく、地域の特性や文化と結びついたテーマ性のある子ども向け演劇カリキュラムの開発や、その他あらゆる斬新で楽しい芸術形式にも取り組んでいます。
2022年『あれ、なんだろう?』は、文化部(文化庁に相当)の第45回小中学生向け推薦図書リストに選定されました。
【絵描きプロフィール】王盈穎(ワン・インイン)
イラストレーター。ロンドン芸術大学視覚イラストレーション大学院を卒業。食、環境持続可能性、自然の節気に焦点を当て、イラストレーションやコラージュを情報伝達の媒体としています。2019年にはイギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館イラストレーション賞(V&A Illustration Award)、アメリカの3x3イラストレーション賞(3x3 international illustration)に作品がノミネートされました。
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