ヨーロッパから届いたアンティークのクリスタルグラスは、すらりと伸びた優美な佇まいが魅力です。ボディには繊細な彫り込みで放射状の星や弧を描く文様が施され、最上部は柔らかな曲線で優しく閉じられています。
光を浴びると、グラスの表面が細かくきらめく輝きを放ち、花器やペン立て、オブジェとしてもお使いいただけます。
彫刻が施されたクリスタルグラスは、ヨーロッパのガラス芸術が最盛期を迎えた、特に17世紀から19世紀にかけて、手吹きガラスの技巧と貴族の美意識が融合し、日用品から身分を象徴するコレクターズアイテムへと昇華しました。
16世紀:ボヘミアの隆盛
ヨーロッパにおける初期のクリスタルグラス彫刻の中心地のひとつが、現在のチェコに位置するボヘミア地方でした。この地のガラス職人たちは、高鉛含有のガラスで透明度の高い「鉛クリスタル」を生み出し、精緻な**ホイール・エングレービング(wheel engraving)**技術で彫刻を施しました。これらの彫刻には、花、紋章、人物、狩猟の情景などが多く見られました。
17世紀:クリスタルグラスの英国での進化
1674年、イギリスのガラス職人ジョージ・レイブンズクロフトが鉛成分を導入したことで、ガラスの屈折率と彫刻性が飛躍的に向上しました。この高鉛ガラスは、より透明度が高く、繊細な彫刻に適しており、後の「リードクリスタル(Lead Crystal)」として知られるようになりました。
19世紀の工芸黄金期
産業革命によりガラス生産は半機械化されましたが、真に高品質な彫刻クリスタルグラスは依然として手作業で製作されていました。この時期のグラスは多種多様な形状を持ち、彫刻の模様もより精緻で左右対称なものへと進化しました。
スタイルは新古典主義(Neoclassicism)からヴィクトリアン様式(Victorian)まで多岐にわたり、星の光、交差する線、葉飾り、花などの幾何学的な左右対称の構図がよく見られました。
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