さんま 第41期 二度目の京都

ある都市と二度目の出会いを果たす、慣れ親しんだ感覚 今年の秋分、人生初の海外家族旅行で選んだのは、二度目の訪問となる京都でした。 多くの人が家族旅行に京都を選ぶのは、その歴史の深さ、きめ細やかなおもてなし、あるいは歳月を経て職人技の精巧な奥ゆかしさを理解できるからかもしれません。私は偶然にも、秋が本格的に訪れる日に、初めて京都を訪れる両親を連れて、昼夜の時間が等しい快適さ、そして紅葉がまだ色づききらず、オレンジと緑が入り混じる曖昧な時を体感しました。特に計画を立てたわけでもなく、私の馴染みの寺院へ赴き、心静かに挨拶を交わし、目的のカフェへ向かう前に、名もなき日常のおにぎり屋台に立ち寄り、地元の人々と一緒に並び、温かい手作りおにぎりを朝食に選びました。市場を行き来して夕食の食材を調達し、両親と民宿の畳敷きのリビングでビールを飲み、漬物を少しつまむ。 人混みの名所もなければ、観光客が必ず食べる人気料亭もなく、時間を詰め込んだスケジュールもありません。両親にとっては初めての京都でしたが、私にとっては理想の「二度目の京都」でした。まだ観光客としての新鮮さも少し残っていて、食通と呼べるほど京都に詳しいわけでもない。若い頃の駆け足で見て回るだけだったり、費用面で諦めていたのとは違い、30代から40代くらいになると、作家の陶芸品を購入できるようになり、自分に合った趣味も確立され、レストランで好きなワインを注文する喜びを知り、過去に訪れた場所に対しても「もうここには行ったことがある」という繰り返しではなく、むしろ「ああ、また来られた」という懐かしさを感じます。千年の都、京都を前にすれば、私たちは皆まだ未熟な魂。何度訪れても、京都の達人になるまでは、おそらく「二度目」のレベルに過ぎないのかもしれません。 一期一会の心持ちで、『さんま』は7年の時を経て再び京都特集を制作しました。京都の顕学を全て理解しようとするプレッシャーを手放し、編集部は本質に立ち返り、一度以上、しかし複数回には満たない京都旅行者に向けて、普段とは違う街並みの地図を探求。散歩、自転車、そして遠足という3つのリズムで、少しだけ外へ踏み出し、地元の人々の時間の中へと誘います。そして、二度目の訪問の理由として、現地の友人との再会も欠かせません。今号は京都の文化メディア「ANTENNA」とコラボレーションし、主宰の堤大樹氏の案内のもと、京都を拠点に活動するクリエイターや移住者、あるいは生まれも育ちも京都というクリエイターたちと出会いました。彼らが開く空間で、現代の血潮に京都文化が流れ込む変化の形を感じ、文化的な土壌が育んだ養分を活かしながら、古都京都が新たな一歩で未来へと進む姿を描きます。 興味深いことに、地元以外の多くの人々は京都に対して常に愛と少しの畏怖を抱いています。愛する理由は百通りありますが、恐れるのは常に「裏京都」の様々なしきたりを理解できないことです。今号ではANTENNA編集部が選んだ、京都に住む5人の地元の人々が出題する「京都通検定」を掲載。「知られざる事柄」が数多く語られています。例えば、独立系書店ではカードよりも現金払いが好まれること、音楽家がよく行く中華料理店は「龍門 本店」であること、京都の店員は客の顔を覚えるのが得意であることなど……、こうした京都の「インサイダーネタ」は、京都の人々自身に語ってもらいましょう。 年初に発行した〈東京99〉特集は大きな反響を呼びました。秋の涼しさが深まる今、〈二度目の京都〉でこの古都に語らせます。東京派であろうと京都派であろうと、再訪という形で、ある都市と「ただいま」という絆を築くのにふさわしい一冊です。