何年も前、神保町で偶然にも2002年発行の『BRUTUS』を見つけました。当時の宇宙飛行士が宇宙に飛び立つ熱狂を背景に、「2020年、今度は本気で月旅行!」と題し、20年後に成田空港から出発する「宇宙9日間の旅」を想像した内容でした。月旅行を雑誌の企画として、宇宙開発の未来像を真剣に分析しつつ、どこかユーモラスな悪戯心も感じさせる一冊。当時、まさに『秋刀魚』を立ち上げたばかりだった私にとって、その内容は胸を熱くし、心は沸き立ちました。少し色褪せた古い雑誌を手に、道端にしゃがみ込み、涙が溢れそうになったのを覚えています。「読者の想像力を掻き立て、現実的でありながらも想像を超える企画こそ、雑誌が挑戦すべきテーマなのだ!」と。
こうして「宇宙特集」は編集部にとって夢のテーマとなり、数年おきに企画を温めてきました。しかし、未知であること、まだ能力が追い付かないこと、予算が足りないこと、そして機が熟していないことなど、さまざまな理由から、この企画は実現せずにいました。よく考えてみれば、これは人類が宇宙を探求する道のりそのものに似ています。高すぎる目標への挑戦は常に困難を伴いますが、月への到達を夢見る宇宙飛行士、星々の謎を解き明かしたい科学者、銀河系の生命の起源を探究する思想家たちは、科学技術が未熟な時代にあっても、星々のように絶え間なく輝きを放ち、その探求をやめることはありませんでした。その始まりを知ることはできず、終わりを見ることもできませんが、ただ一つ確かなのは、この時を超えて輝く光の束が、私たちを魅了してやまないということです。これこそが、人類が宇宙に惹かれる理由の一つなのでしょう。
2018年、著名な実業家である前澤友作氏が日本人として初めて自費で宇宙ステーションに滞在し、複数の芸術家と共に月へ行くプロジェクトを立ち上げました。この出来事は、編集部に再び特集制作の意欲を掻き立てました。しかし、2023年にロケット開発技術の進捗を考慮し、プロジェクトの中止が発表されたことで、「未解の宇宙へ、一体いつになったら行けるのだろうか?」と、私たちは一時的に思考を停止せざるを得ませんでした。
そして現代。漫画家・魚豊氏が『チ。―地球の運動について―』で史上最年少の「手塚治虫文化賞マンガ大賞」を受賞しました。この作品は、再び編集部の宇宙の夢に火を灯し、真実を追求する私たちの本能に響き、人々が真実を探求する旅に参加したいという願望に直面させました。漫画の中で描かれるように、真理と科学技術が繰り返し挫折を経験する歴史の中でも、人類の集合的な意志の物語が綴られています。私たちは勇気を出して最初の一歩を踏み出し、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に最初の取材依頼書を送りました。〈日本発、宇宙探険2025〉特集は、約10年間にわたる数えきれないほどの打ち上げ失敗を経て、編集部がついに夢の着陸を果たしたのです。
今号では、2002年の宇宙開発への野望に応え、茨城県のJAXA筑波宇宙センターへ赴き、日本の宇宙開発の進捗を検証しました。また、台湾のTASA国家宇宙センターと連携し、日台の航空宇宙協力が人類の生存にどのように貢献しているかを分析。そして、魚豊氏への独占インタビューでは、「世界の見方」について深く掘り下げました。彼が語るように、「科学は時代の進化であり、哲学は人類が積み重ねてきた思想です。宇宙を探求する上で、私たちは穏やかな心を持つべきです」。
「我々が月に行くことを選んだのは、それが容易いからではなく、それが困難だからである。」アメリカのケネディ大統領は1962年に、有名な「我々は月に行くことを選ぶ」演説で、宇宙開発への決意を表明しました。日本が初めてロケットを打ち上げてから70周年を迎える今、私たちはまさに適切な時を迎えています。2020年の「宇宙9日間の旅」はまだ実現していませんが、宇宙とはそういうものではないでしょうか。困難であり、人類に容易には征服を許しませんが、闇は常に光と共存しているのです。
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