日本 19世紀 東密法具 三鈷杵（長さ11.3cm）

海外のコレクターから譲り受けた品です。 コレクターによると、江戸時代（西暦1603年～1867年、17世紀から19世紀初期）の物とのこと。 中国の王朝に例えるなら、明朝末期から清朝中期にあたります。 江戸時代の五鈷杵は、およそ150年から420年の歴史を持つことになります。 長年骨董品に触れてきましたが、念のため保守的に年代を低めに見積もり、 19世紀の物と位置付けております。 「百年以上の歴史を持つ宗教的文物」とするのが、より適切かと存じます。 この杵は、先端の中股部分にひび割れがございます。 全長11.3cm。 真鍮合金製。 手作業による彫刻と研磨が施されています。 長年の実修を物語る法具です。 一本の紐が付属しており、 紐には西アジアの金剛杵の図像をあしらったアンティークビーズ2個と、ミャンマー産の18～19世紀の呪文ビーズ2個が付いたクイックリリースの結び目があります。 金剛杵を腰やバッグに取り付け、手軽に持ち運びいただけます。 ********************************** 法具の持つ磁場やエネルギーについては、私自身は特に感応する体質ではございません。 チベットの古いプルパや金剛杵はもちろん、 日本の東密の独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵に至るまで、全く感覚がありませんでした。 しかし今年、チベットの杵を大量に収集する際、いくつか日本の杵も一緒に手に入れました。 ある晩、一本の独鈷杵をいじっているうちに、就寝前に枕元に置いて眠りにつきました。 すると、夜中に火供の情景を夢に見、火供で焚かれる松脂の香りを嗅いだのです。 ここ数年、友人に割れた琥珀や蜜蝋の念珠を焚いて香りを嗅がせ、 琥珀や蜜蝋の本物が燃焼した際の香りを学んでもらっていたため、 夢の中でも特に注意深く、3度も香りを確かめました。 その結果、夢の中で確かに松脂や蜜蝋のような樹脂が燃える香りであることを確認したのです。 夜が明けて目覚めると、30年以上もの間、無数の法具に触れても何も感じなかった私が、 この独鈷杵によって夢の中で感応を得られたことに驚きました。 南部の骨董商の同業者がかつて言いました。「日本の修行者の念力はチベットの人々を超える。日本の法具を侮ってはいけない。」と。 2024年12月7日、長年霊的修行と座禅を行っている道教の先輩が訪ねてきました。 私の手元にある多くの法具、チベット（11～18世紀）のものから日本の古い杵まで、 手に取ると止まらないほどあくびを連発し、磁場が非常に強力だと叫びました。 そして、信じられないという表情で私を見つめ、 「これらの法具を触っても何も感じないのですか？」と尋ねました。 彼は感応し終えると、写真を撮って師匠に見せ、 私がそれぞれの法具の年代と購入価格を説明するのを聞きました。 翌朝、彼は恐縮しながら、日本の東密法具3点（独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵）を譲ってほしいと頼んできました。 なぜなら、日本の法具とチベットの法具は、感応する磁場がほぼ同じくらい強力であるにもかかわらず、 価格が極めて大きく異なるからです。 これはチベットの天珠と西アジアのビーズの価格差のようなものです。 日本の法具なら、まだ手が出せる価格だと計算したのでしょう。 2024年12月19日、彼はわざわざ北上して私を訪ね、報告してくれました。 彼が日本の法具を持ち帰ったその夜、2本をベッドサイドのキャビネットの横に置いていたところ、 夢の中で杵の中に大小2匹の神龍が現れたそうです。 長年感応の修行をしてきた彼も、今回は本当に大きな驚きを感じたとのことでした。 ********************************** 2024年12月18日、道場で師であるウージン・カンポに供養を行いました。 チベット仏教に三鈷杵を修する法門があるか尋ねたところ、 師は、在家ヨギによる観修のみであると述べました。 それはただ観修…観想を用いた修法で、口の中に三鈷杵を観想する… 実際には三鈷杵の法具は使用しないとのことでした。 7000-114.05.01