Caravan Earrings 旅隊ピアス - アンバーグリーン

- 日本米珠、オーストリア/チェコクリスタルパール - ピアス/イヤリングへのカスタマイズが可能です - 長さ約6cm、幅約1cm 幾重にも連なる隊列、続く道、旅の塵を被り、互いの背中を追いかけるキャラバン隊。それは決してのんびりとした順風満帆な旅路ではありませんでした。 マリクが断食月の前夜に宝石商と共に宮殿を出て砂漠に足を踏み入れてから2週間が過ぎました。追跡してくるであろうカリフ軍の姿はまだ見えませんが、彼の目的地もまた遥か彼方です。彼は隊列の最後尾のラクダに乗り、水筒を開けて数口飲みました。彼の最も大切な恋人は、彼に一番近い四輪馬車の中にいて、灼熱の昼間の炎から守られています。 40回目の月が昇る頃、3頭のラクダが病に倒れ、隊列全体の速度が大幅に落ちました。宝石商はふさふさとした髭を撫で、しわだらけの眉間にしわを寄せました。彼の従者たちは一声も発せず、付き従う黒い馬たち、つまり良質なアラビア種馬に、より多くの水と飼料を分配しました。これらの馬は、隊がコンスタンティノープルに到着した後、大陸最西端の金髪の王の国に送られることになっています。マリクは一度もそこへ行ったことはありませんでしたが、故郷で見慣れた砂丘の代わりに緑豊かな丘陵平野が広がっていると聞いていました。 また一つ夕暮れが訪れ、マリクが振り返ると、目尻に浮かび上がっては消える揺らめく蜃気楼はもうなく、カリフの翻る旗と鎧に映る夕日のきらめきこそが彼が本当に心配すべき危機でした。宝石商は絹に包まれた棍鞭を掲げ、股下のラクダを軽く叩くと、素早く向きを変えて萎縮した隊列の最後尾に向かいました。 「お前、北へ行け、急げ。」老商人は大声で言い、片手で手綱を引くと、空いた手で従者にいくつかの合図を送りました。一頭の黒馬がマリクの傍に連れてこられ、ラクダの右後部に改めて繋がれました。別の従者は幌馬車の中に潜り込み、何かを探しました。再び現れたとき、彼は白銀の彫刻とラピスラズリで飾られた、ぴったりと閉じた広口の銅製の甕を抱えていました。マリクは少し身をかがめ、慎重に甕を受け取ると、ラクダの左側に掛けられた旅行用の袋に入れました。 「これは追加の水と食料だ、多くはないが、うまく使え。」老商人は慌ただしく叫びました。疲れた声は、次第に近づく巨大な蹄の波の音にかき消されました。礼を言う間もなく、彼の棍鞭が一振りされると、ラクダと黒馬は一斉に駆け出し、赤褐色の砂塵を巻き上げました。マリクは身を安定させ、下の動物を行くべき方向へ導き、砂漠の闇へと身を投じました。彼は港で黒馬とラクダを売り、船の切符と十分な食料を手に入れました。銅製の甕はリュックの中でずっしりと重く、それが安全を意味している、と彼は思いながら、乗客に続いて船に乗り込みました。 金髪の国に着いたとき、マリクにはもはや何も持参金がなく、袋の中のあの華麗な銅の瓶だけでした。彼は現地の言葉を学び、村で鍛冶屋として一時的に滞在しました。彼が唯一と認識する神を公に崇拝することはできないと知っていたため、小さな銀の十字架を作り胸に掛けました。そうすることで、フランク王の巡回隊が村を通るとき、黒髪で濃い目の彼にあまり疑いを抱かないだろうと考えたからです。 10回目の夏が終わる前にマリクはこの小さな村に別れを告げ、さらに北へと向かいました。そこは豊かな森に満ち、忍び足で歩いても、木々の間から差し込むわずかな陽光が足元の落ち葉に当たるのが見えるだけでした。視覚、味覚、聴覚、すべてが彼の幼少期とは異なっていました。ノルマンディー地方は寒く、彼は自分で鍛造した数本の良質な刀と引き換えに、厚手の毛皮のコートを手に入れました。雪が降った日、彼は宿屋で食事をし、外に飛び出して歓声を上げました。雪の結晶は彼の湾曲した長い睫毛の先端に留まり、数秒も経たずに水へと変わりました。 異なる言語を話す別の王国が海の向こうにある、と魚を売る女性は灰色の海面を指差しながら説明し、慣れた手つきで魚の腹をさばいていました。前の村よりも天候は悪かったものの、マリクはここに留まることを決め、同様に鍛冶屋の小さな店を構えました。春風がノルマンディーに少しばかりの活気をもたらし、鮮やかな野花は彼の故郷のモザイク壁画を思い出させました。10回目の冬が終わり、彼は村の婚約者マリアの指のサイズに合わせて銀の指輪を調整し、数年前に大砂漠から持ち帰ったルビーをしっかりと埋め込みました。顔を上げると、そこにいたのは巡回中のフランクの士官でした。 「お前は地元のものではないな。」士官は穏やかに、しかし礼儀正しく言いました。鋭い青い目は薄い色の睫毛に覆われていました。「王宮でお前の腕前を聞きつけた。だから、連れて行く。」 マリクはただ一つだけ要求しました。彼の愛人に別れを告げるために、一日と一夜の猶予をほしいと。彼は家に戻り、ベッド下の落とし戸を開けました。時折現れるデン人の山賊を防ぐために作られたもので、粗い布に包まれていたのは、あの精巧な銅の甕でした。彼は馬に鞍をつけ、甕を携えて、真夜中に海辺へと出発しました。 20年後の馬を走らせる速度は、若き日の血気盛んな腕前とはもちろん異なっていました。時間がかかりましたが、ようやく彼は潮風と群れをなすカモメの鳴き声を聞くことができました。夜明けの光が低い雲を通してノルマンディーの浜辺を掃き、湿った粘土質の砂が彼の両足にまとわりつきました。フランク人の王宮に何があるか、絹、宝石、宴席、と彼は耳にしていましたが、マリクにとってそれらはすべて、黄金と石でできた牢獄であり、ホラーサーンのオアシスの高殿と大差ありませんでした。 彼は20年間一度も開けなかった甕の蓋をひねりました。甕の彫刻は相変わらず精巧で繊細で、中には骨灰が収められていました。マリクはさらに進み、海水が腰まで浸かるまで歩き、銅の甕を胸にしっかりと抱きしめました。日は彼の背後から昇り、水は冷たかった――十分に冷たい、マリクは思いました。この冷たさなら火刑による激痛もきっと消し去ることができるだろうと。 手ですくった灰はすぐに海水に飲み込まれ、夜明けのまばらな光の斑点が緩やかな波と共に押し寄せ、マリクの手のひらと指の間に名残惜しく留まっていました。 ／ 「お前の愛人、彼の名は？」士官長は頷きました。マリクは考えました。20年間、誰もそんな質問を投げかけてこなかったし、20年間その名を口にすることもありませんでした。 「アルタイル。」最後に、マリクは静かに答えました。喉元には惜別の悲しみが込み上げましたが、愛人が永遠に安らかに眠れるようにと、涙をこらえました。「アルタイル・イブン＝ラ・アハド。お前たちの言葉で『飛ぶ鳥』という意味だ。」