**母が語った言葉です。「あなたのおじいさんとおばあさんは、私たちを連れて遠くへ行こうとしていたのよ。」**
**「どこへ行くの?」と私たちは驚いて尋ねました。**
**「私たちは移住するのよ。」そう言われたそうです。**
ディニヴァイ(紅櫸木)の地で、おじいさんは時折振り返り遠くを眺めては「ああ!」と故郷に涙で別れを告げました。移住の過程は、汗の滴が土に深く根ざし、生命の賛歌を育む物語を語ります。
美園集落は、霧台郷の複数のルカイ族集落の人々が移住して形成された新しい集落です。当時、最初に美園のこの土地へ移り住み開墾を始めたのは35世帯で、集落の人々は彼らを「asualalanga kelakai tu cekele(開墾の先駆者)」と呼んでいました。「多様な集落の再編」という歴史的背景から、美園には「頭目」がいなかったため、困難な開墾期には、集落の重要な事柄や運営は、この35世帯の人々が共同で話し合い、決定していました。
移住後の環境変化と交通の便が良くなったことで、集落の若者のほとんどは学業や仕事のために外へ出ることになり、集落の歴史や文化から疎遠になる傾向が見られました。加えて、移住第一世代が次第に減少していく中で、私たちは「この記憶」を留めたいと願うようになりました。頭目制度の継承はありませんが、美園には「開墾の先駆者」の物語があります。これは、集落の高齢者、若壮年層、そして子どもたちが自分自身を知り、「自分たち」を語るための拠り所なのです。
集落の人々が集い、分かち合いを通して、60年以上前の「共通の記憶」を再びつなぎ合わせ、見つけ出しました。その過程で、彼らは移住当時の困難と苦労を改めて思い出し、泉のようにとめどなく溢れ出る多くの記憶が、美園集落の大きな時代の物語として再び結集しました。
今回の復刻は、美園に高齢者と若者たちが集まる機会をもたらし、その場での語りを通して、この苦しくも貴重な歴史が自然に若い世代の心と記憶に留まるようにしました。高齢者や中世代の人々もまた、そこから「歴史伝承」の危機感を呼び起こされ、「これらのことは集落の次世代に常に語り継がねばならない」という動機が生まれました。
口述があることで、復刻版の絵本は、幼児、青少年、青年、中年、高齢者がいつでも手に取り、語り合うための媒体としての役割も果たし、物語が絶えず語り継がれていくことを可能にします。
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